香港飲茶を食べようin TAIWAN
「ダーリン、ご飯食べ行こうよ。」
「どこに行きたい?」
「魯肉飯の店は?この間行ったトコ。」
「魯肉飯・・・か」
「食べ物に関しては特にこだわりはないよ、ハハハ」
ダーリンに出会った時よくそう言っていた。一緒にいるようになってからもたまに耳にする。
確かついこの間も
「食べ物に関しては、選り好みはしないよ、ハハハ」
確実に覚えてる、そう言ってた。
そんな彼に対し、薄々気づき始めていることは
「すげーこだわりあんじゃん!」ってこと。
私は好きになったものは飽きるまで毎日だって試したいと思ってしまう。一方、彼の場合は色々なものをどんどんチャレンジしたい。チャンスがあれば他のところを試してみようよ、一度食べて気に入ったところはストックしてまたいつかいけばいい。(恋愛に共通しないことだけを祈る)
ということで、3週間前に行った無魯肉飯は無言で却下され、別の候補を試すことになった。
「この辺は食堂ストリート。なんでもあるよ、トルコ料理、寿司、台湾家庭料理・・・」
林口(リンコウ)との境になる、桃園エリアに当たる場所で食事をとることにした。近くにある工業エリアに来ている出稼ぎ労働者向けにも多国籍な食堂が軒を連ねる場所。
運転中に通った先を指差してこう言う。
「あそこ、香港飲茶の店だよ、食べ放題。」
「なんてとこ?」
港龘港式飲茶
「そこGoogleマップに保存してある!行きたい!!」
車を止めて食堂ストリートを散策。
早速美味しそうな匂いが漂ってきたかと思えば「ステーキ屋」
「見て、メニューがある!どれどれ」
「ここは知らないなぁ、新しい店だね。」
「牛肉は下痢しちゃうけどたまには食べたいなぁ・・・」
「ハニー、大丈夫なの??」
「下痢してでも食べるよ、食べたいときは。あー、いい香り。」
「この中でハニーが食べたいものはなに?」
「このサーロインだね。8オンスってどんくらい?250グラム?なに、8オンスって?」
「ちょっと待って、8オンスは・・・」
「226.796グラムだよ、ハニー!!」
「ちょうどいいくらいだな、ここでもいいよ、私。」
えっ!?
「香港飲茶はいいの!?肉以外にも色々と食べれるよ!!」
「なんかステーキでもよくなってきちゃったんだけど・・・」
「飲茶の他に90分間好きなものを何でも食べれるんだよ!!」
こりゃ、ダーリンの心がそっちに行っている証拠だね。
「わかったよ、行こうか、飲茶!」
食にこだわりはないといいながら、割と試してみたい候補を数多く持っている彼。でも「行きたい!」と決して明確には言わない。こちらが「行きたい」と思わせるようなメリットを数多く伝え相手に「うん」と言わせようとする戦法。
私はイエスかノーかを明確にしたがる方なので、たまに意地悪く、
「ダーリンはどうしたい?私はどっちでもいいよ(決めているけど)、あなたはどうしたい?」
と責め立てることがある。
「僕はどっちでもいいよ、ハニーが決めた方でいいよ。」
と、決して自分の意見を言わない。自分の意見より相手の意見を尊重するっていうその優しさ(優柔不断さ?)に好き勝手させてもらっている節もある。なので、否定することはないけれど、彼だけではなくて、割と台湾の人にはそういう系の人が多いかなと思う。
とはいえ、どちらかを決める際に、いくら膨大なメリットを提示してこようが、我慢ならないときには頑として譲らない。一応大人なので、ある程度の柔軟性は持ち合わせている。その上、日本人の私には不思議な力があって、空気を読むことができる。妥協しても良い時には相手の意向を汲み取って穏やかにことを進める。
ステーキ屋を諦めて香港飲茶に向かい直した。
「ねぇねぇ、この漢字は日本語でなんて読む?」
壽喜焼
皆さんは読める?この漢字表記は当て字ながら非常に素晴らしいと感じた。何ともおめでたい雰囲気をまとった食べ物ではないか!
「これはsukiyakiっていう鍋料理だよ。」
「どんな鍋料理?」
「醤油ベースのスープでお肉を卵につけて食べるの。行きたい?」
「普段行く映画館と同じビルに入ってる。」
「ふーん(行きたいの?)」
「割引チケットもらった、この間。」
「へぇー。(ステーキからお肉を食べたい気持ちに寄り添ってくれてる?肉食べ放題だね、ココ)」
つまり・・・
行きたいんか?
香港飲茶食べ放題から肉食べ放題にしてくれた?
行かねえよ、今日は飲茶に決定したじゃん。
これ以上選択肢増やしたって時間の無駄。
香港飲茶90分一本勝負
教会のような店構。わりと豪華な作り。他にも支店があるようで、なかなか繁盛しているお店のよう。香港飲茶はいうまでもなく、いつでも蒸したてで美味しい。香港飲茶と言いながら、台湾料理や私の大好きな台湾式お刺身まで並んでいるので、入店早々ワクワクが抑えられなくなってしまった。
ステーキにしなくてよかった!!
諦めさせてくれてありがとう、ダーリン!!
週末は料金がちょっと高めに設定されていておひとりさま470元。90分の制限付き。最初はさもない料理が並べられているんじゃないかとか少々不安もあったけれど、没問題!
正直、台湾旅行で宿泊するリッチなホテルの朝ごはんのブッフェ以上に手が込んでいる料理の数々だった。
「ハニー、90分だからね、急いじゃダメだよ。」
「OK!OK!心得ているよ、ダーリン」
飲茶とお刺身と野菜からまずやっつけていくことにした。
一通りぐるっと見て、食べたいものの目星をつけて第2ラウンドに備える計画だ。
ドリンクもお茶系はたくさん揃っていたけれど、冷たいものが飲みたくてルートビアに手をつけてしまったのが誤算。
あとあと気づいたら、アイスクリームケースの中に美味しそうな氷を発見。唯一の失敗。
家族づれやカップルで閉店まで賑わっているお店。
蒸したワタリガニ、ふわふわの身もぎっしりつまって卵やミソも濃厚。
隣のテーブルのカップルは二人して最初から山盛のカニに貪りついていた。
閉店が近づくにつれお料理の補充はなくなりさみしくなるのかなと思いきやそんなことはなく、常に美味しそうに盛られ、サーブされ続けていたのが嬉しかった。
7時半から閉店間際までいた私たち。最後の最後まで粘りすぎちゃって店側に対し、少々気まずく思っていた私をよそに
「大丈夫だよ、全然気にすることないよー」
という彼。それ以上に、入口付近にいたカップルは我々が帰る時もまだ食べていたので、いちいちちっさいこと気にするもんじゃない、体裁とか気にするもんじゃない、90分つったら90分食ってなにが悪いのさ。
っていう強い心に育っていくのかもしれないな、私。
いずれにしろ、とても美味しいお店で食事をとることができました。
桃園空港を使う際に、時間を持て余すようなことがあれば、使ってみても良いお店かと思います。
胃袋に自信がある方、ここは試しがいがありますよ!!
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