社会科見学①台北魚市場

今日は久しぶりに大感激をした「大人の社会科見学」魚市場についてご報告。


日本でも業者関係ではないとなかなか見学ができないであろう魚市場。


お魚大好きなわたしにとっては、お魚の本拠地に進入することが出来るという一大イベントに参加してきた。


台北魚市場


場所はわたしの大好きな萬華地区。台北の南西部に位置する。


当日は土曜日の朝の3時半に市場近くのコンビニに集合。


早朝すぎるから、人数もそんなにいないだろうと思っていたら、10人ちょっとくらいの思ったよりも多くの人たちが参加していた。中にはやっぱり起きれなくて電話にも出ないという脱落者なんかもいた。


ガイドをしてくれた蘇さんも早朝だし、路地を歩きながら大きな声で話ができないこと、市場内では業者さんたちの声が大きいから聞き取りづらいだろうということから「無線」?みたいものが各自に配られてスタート。


基本的には中国語なので、一緒に同行してくれた台湾人の友達の英語による解説がなければなかなか難しい、でも「雰囲気」で読み取ることもできた。


雰囲気読みができたのも一応日本人だから。台北のお魚市場は確か日本統治時代あたりからだったはず、なので、システムなんかは日本のものと同じ。


出身の静岡は魚市場も多いし、業者さんの知り合いも何人かいた。そうじゃなくても、割と日本の場合年明けのマグロのせりのニュースなんか見ていたらどんな雰囲気なのか読み解くことができるでしょう。


逆に友人はじめ、参加していた台湾人のメンツは「ほぉー」という様な感じで、感動!初めて見たよ!っていう人たちが多かった。あまりなじみないのかしら。


市場に向かう前に、周辺の八百屋さんやお豆腐屋さんを見学。


この辺りでは「もやし」が有名で、そのもやし屋さんを拝見。ただ、もやし屋さんは私たちの参加よりも早く夜中に営業をしているんだとか。なので、午前3時半はすでにクローズ。


店構えを見たけれどなんとも貫禄のある作り。この辺一帯は昔っからの店舗が多くて見応えは抜群。


ただ、今回の見学で幾度となく注意を受けていたのが、


「勝手に写真を撮らないこと」


というのもいくつか理由があるけれど主な理由は


みんな仕事中


だということ。一生懸命仕事をしている最中に物珍しそうにカメラを構えるのは失礼にあたる。その行為自体が相手の気持ちを逆撫でしてしまうことになる。なので注意事項をしっかりと守って見学をさせてもらった。


アレンジをしてくれた蘇さんが事前に先方と調整して「ここならOK」とかきめ細やかな配慮のおかげで普段見ることができない風景を捉えることができた。その上、彼の相手に対するなみなみならぬリスペクトが感じ取れた。


特にこの次に訪問した老舗のお豆腐屋さんについては、わたしも胸が暑くなるほど感激しリスペクトすべきだと強く感じたので今後の記事にてご報告。


で、市場周辺にある野菜屋さんは早速仕入れたお野菜の手入れや出荷準備を始めていた。この辺の八百屋さんはホテルやレストランなどの業者向けに販売をしているところが大半。

大量の野菜を捌くために朝早くからみなさん総出で働いている姿には感動を覚えた。


周り一帯を見学し終えて向かった先がメインになるお魚市場。

お魚大好きなわたしにとっては、美味しいお魚の本拠地に潜入というわけだ。


お魚市場に到着したら、入口でガイドさんが待っていてくれた。多分彼は漁業組合長さん(以下会長さんと勝手に呼ぶ)だと思う。佇まいや、市場内で他の人たちが彼に接する感じからそうだと認識。


一番偉い人に違いない!


まず、入場前に魚市場の歴史だとかシステムに関して説明をしてくれた。特に印象深かったのが、セリの時に使われる符牒。


符牒とは

取引業者間で取引の際に用いられる隠語。特に、この場合は指で価格を表示する方法。

例)ピースサインなら2、その手をふると200とか。


ほぼ日本と同じではなかろうかという符牒に日本とのつながりを感じた。


また、競り落とす時にはこの様な業者独自の紙をお魚の箱に載せる方法。


ここも日本の名残があって、屋号でよくある「やま」「まる」「かく」とか、この場合は「マルシン」さんのだよっていう証明書になる。

お金は後払いになるので、この紙に交渉成立のスタンプを押してもらったものをお魚の箱に載せるというシステム。


通常は観光目的でお魚市場に立ち入ることはできない。業者さんは自分たちの売り上げになるお魚を仕入れに朝早くから仕事に来ている。


わたしも証券会社勤務が長かったので株の「競り」のスピード感とそれに伴う緊張感は十分に理解している。


こっちが一所懸命取引しているのに横でワイワイがやがやされてるなんてたまったもんじゃない。


「うるせー!」


言葉が悪くなるくらいにエキサイトしている瞬間だもの、私たちが社会見学などと言いながらパシャパシャするもんじゃないだろうなと心得ていた。


ところが会長さんの粋な心意気で


「市場内好きに写真撮ってくれて構わないよ」


と。いいのかなぁと少々不安げに思いながらもカメラを構えたら人懐っこい人たちや、ここぞとばかりに俺を撮ってくれよ!的なおじちゃんたちがいた。


やっぱり普段一般の人間が入ってこない場所だからみんな「見てくれ、見てくれ」という感じが強かった。


会長さんとしても、広く知ってもらいたいという気持ちがあったんだろうな。


実際に競りをしている場で、取引仲介業者(売り手)が台の上でペラペラと捲し立てる様に取引をしている。


会長が


「その台乗っちゃっていいよー」


的なサプライズなこともさせてくれたのでこの様な活きの良い写真をとることができた。


とにかくあたり一面お魚、山盛りの蟹とお魚パラダイス、いやお魚キングダムでのひとときを過ごし至福の時を味わった。


今まで本体を見る機会がなかった大好きなサバヒーの本体を見ることができた。

普段は切り身のサバヒーしか見たことがなかった。実際に本物を見て大きい魚なんだなぁと実感。この後、骨まみれのサバヒーの骨抜きをして出荷するんだとか。

こちらはカジキをおろしている最中。よく釣りバカの芸能人が釣りに行っていたあのカジキの本体を見て、これもでかいんだなぁと実感。


冷凍保存しておく場所だというマイナス30度の冷凍庫にも入りお魚と共に極寒を味わえたし、全てにおいて素晴らしい経験ができた。


お魚市場への入場は難しい。ただ、この市場の隣にはお野菜や果物の市場も併設されている。そっちは実際に入って購入することもできるので、次の記事では先ほど少し触れたお豆腐屋さんのお話とともに、ぜひ皆さんにも体験してもらいたいスペシャルなお店を紹介します。


毎日台灣

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